転職エージェントとの面談は、各社一度きりの場合が殆どです。ということは、貴重な面談となるので事前に準備して転職エージェント主導ではなく転職希望者であるあなた自身が主導できるようにしましょう。
ご承知の通り、転職エージェントは数多く転職希望者と面談を行っており、その中には面談内容をルーティン化して機械的に熟している転職エージェントもいるでしょう。
よくある面談内容
- 既に転職希望者が送った履歴書・職務経歴書(日英両方)を元に、転職エージェントに自己紹介を行う。転職希望者が外資系企業を希望しかつある一定以上のポジションの獲得を狙っているのなら、初めから英語での自己紹介が求められる。この自己紹介は求人企業との面接の模擬と考えると良い。
- 今回転職希望者の目標となる業界・職種・ポジション及び最低希望年収の確認が行われる。
- 面談当日有効でその転職エージェントが保有する求人案件の紹介が行われる。
その求人案件の企業には知名度がある企業がある一方知名度があまりない企業がある。知名度が無いから将来のない企業ではないので転職希望者の認識を真っ新にして各求人案件の吟味が必要である。
また私自身の経験であるが、紹介された求人案件の中に外国籍企業でこの機会に日本法人を設立したばかりの外資系企業で日本法人での各部門責任者を募集する案件であった。このような求人案件こそ非公開案件で転職エージェントを利用しないと巡り合えない。
- その面談日に紹介を受けた求人案件に応募するか否かの判断をする。
- 今後の連絡手段や時間等を確認(転職希望者が現職の場合、緊急の場合の連絡手段を特定する場合がある)の上、面談終了となる。
転職希望者が行うべきこと
上記に書いた「よくある面談内容」に沿っているだけであれば、転職エージェントの保有する「転職希望人材」となり、転職希望者であるあなたの将来のキャリアパスやビジョンを見据えた転職活動には繋がりません。
- キャリアの目標と希望を共有する: これまでの経験や実績を元に自分のキャリア目標や希望する仕事の条件などを詳しく伝えましょう。どのような職種や業界に興味があるのか、今後のキャリアプランについて話し合います。
ここで過去の経験や実績に基づかない将来の目標やキャリアプランを話しても転職エージェントは一切耳を貸しません。日本資本の転職エージェントの一部には転職希望者の気を損ねる事が無いよう聞いている形を取りますが、結果として転職エージェントから信頼されないことでしょう。
- スキルや経験の共有: 過去の職歴や習得したスキル、資格などを転職エージェントに理解してもらいましょう。これによって、適切な求人案件を提案してもらうことができます。特に外資系企業への転職を希望される方は、直近受験したTOEICスコアを伝えましょう。
転職エージェントには各々専門分野(業種・職種)があり、転職希望者の専門性等に合わせた転職エージェントがアレンジされているはずですが、転職希望者であるあなたの専門性を示す用語を理解できない転職エージェントも一部います(転職エージェントの怠慢)。その時はあなた自身のプレゼンテーション能力を示す場ともなりますので未知の者にも理解できるように説明しましょう。これがあなたのコミュニケーション能力評価にも繋がります。
- 転職希望条件の明確化: 希望する給与水準や勤務地、労働条件など、転職に関する条件を具体的に話し合います。これによって、エージェントが適切な求人を探す際の指針になります。
昭和の時代と違い、転職希望者は明確に条件を伝えましょう。転職エージェントが困惑するのは、なんでも良いので職を得たいと希望する転職希望者です。現給を基準にした給与水準、勤務地等労働条件を明確に伝えましょう。
また、外資系企業のハイクラスとなる求人案件では、日本法人と労働契約を交わさず、海外本社法人と労働契約を締結する場合もあります。その条件は日本法人で契約された内容と細かさが全く違い、例えば、基本給以外のインセンティブ給の支払条件、国内外出張時の各種移動手段時の利用クラス、国内外出張時の諸経費の支払い条件等大変細かく決めることが出来ます。実例ですが、出張時の昼食後のスナック(所謂おやつ)に関する条項がありました。
- 履歴書や職務経歴書の整備: 転職エージェントは、転職希望者の情報を企業に提供するために履歴書や職務経歴書が必要です。必要な情報を正確に記載し、専門的な印象を与えるように心掛けましょう。
転職エージェントは、転職希望者との面談によって得た情報を既に受け取った履歴書または職務経歴書(日英両方)の修正を依頼する場合があります。これは転職に関するプロフェッショナルからのアドバイスですから、面談終了後等即修正しましょう。
- キャリアアドバイスの受け取り: 転職エージェントは転職に関するアドバイスを提供してくれることがあります。自分のキャリアについてのフィードバックや改善点を聞いてみることで、転職活動の方針を見直すことができます。
実際、私の転職活動において、閉塞感を感じていました。そこでこれまでのキャリアを活かして、これまで私自身が考えたことが無かった異業界への転職を勧められました。このことをきっかけに転職活動に明かりが差し込み転職活動を良い方向に進められました。
- 面談後の求人案件の紹介: 面談後転職エージェントは引き続き求人案件が出てくれば紹介すると告げ、面談を終了します。
しかしながら、本当に引き続き転職エージェントから転職希望者の経験等に見合った新規求人案件の紹介があるのは、先に自己紹介やスキルや経験を説明した時に、転職エージェントから転職希望者に商品価値があると判断された場合だけである。
転職希望者のスキルや経験の価値は、転職希望者自身で定めることは叶わず転職エージェントや求人企業によって決められる。よって貴重な面談の時間に転職希望者は積極的にご自身のスキルや経験を転職エージェントに売り込みましょう。
これは、横暴に売り込めば良いのではなく、高いコミュニケーション能力を発揮して転職希望者の商品価値を高めましょう。
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