長らく日本社会では収入が伸びない等ネガティブな言葉ばかり聞こえてきます。
しかし、日本とは違い欧米の企業業績は堅調で多くの外資系企業日本法人の業績も堅調と思い、日本企業を飛び出し外資系企業に挑戦する人も多いでしょう。
外資系企業といっても欧米以外にも様々な地域から日本に進出しており、それらの国々によって習慣や文化が違う。便宜上、ここで言う外資系企業は欧米に海外グローバル本社を置く企業とする。
さて、外資系企業の求人案件等で判断できる事もあるが、外資系企業へ転職を考える際検討すべきリスクを解説していきます。
ワークライフバランス
外資系企業では大変ワークライフバランスが良いです。日本企業の一部は残業しなければ収入が保てなく、自らワークライフバランスを崩しています。
しかし、外資系企業でワークライフバランスの良いのは優秀な人材のみです。日本企業と違い個々にJD(Job Description)が示され、皆が専門性を持って業務を遂行しています。また海外グローバル本社やAPAC地域統括法人と違い日本法人は原則セールスオフィスなので出来るだけコストを掛けない為に人員も限られた中で業務が進められています。
このことで日本企業に比べて外資系企業日本法人では個々に3~5倍の負荷がかかっているでしょう。
それでも外資系企業で働く人材は優秀な為に高い負荷が掛けられても高い処理能力で業務を進めることで結果的にワークライフバランス良く保たれています。
この事を知らず、また日本企業の社内のように困ったときには誰か助けてもらえると思っていたら一人社内で残されるでしょう。
結果的に一人残業となるでしょう。また外資系企業では年棒制が多いので残業したところで収入が増えることはないでしょう。
一般職
日本企業には一般職と称して主に部門において事務処理等を担当する職が存在する。特別な業務依頼が無い限り残業は少なくワークライフバランスが良く保たれている。
外資系企業にも同様の事務処理を行う人材は存在する。しかし、経理職やクラーク職等みな専門職の業務の一部として行っている。同じ事務処理でも外資系企業の経理職や会計職は外資系企業日本法人ですから海外グローバル本社が適用されている会計基準に沿って決算書を作成したり、日本の会計基準を適用しつつ、国際財務報告基準(IFRS)や米国会計基準との違いを意識しながら業務を行う等高い専門性を必要とする。
よって日本企業で営業部門や総務部門または人事部門に存在する一般職は外資系企業では専門性を持たずとも業務が遂行できると判断されれば、外部の企業から派遣された人材で賄われることが多い。
英語力
外資系企業とはいえ日本人同士は最も得意であろう日本語でコミュニケーションをとっている。
しかしながら外資系企業ゆえ海外グローバル本社地域出身者やAPAC地域であるオーストラリア、ニュージーランド、インド、シンガポール、台湾等の外国籍社員が在籍している。
また頻繁に海外グローバル本社またはAPAC地域統括法人からの出張者も社内にいるでしょう。
求人案件にある通り職種によっては英語力を問わない職種が存在するが、上記のような社内環境であると日常的に英語が飛び交っている。
また日頃日本人同士日本語でコミュニケーションと取っていても、会議等で一人でも外国籍社員が入れば大原則として「英語のみ」が唯一のコミュニケーション言語となる。また例え英語が不得意な社員がいたとしても誰も通訳などしない。
英語がコミュニケーションとして使えるレベルには様々あるが、ビジネスレベルで英語が使えないと大変ストレスとなる労働環境となろう。
異文化
日本企業では地域差はあるものの社内で同じ習慣や文化が浸透している。これは、日本企業がほぼ日本人で構成され、また長年培った「ムラ」社会が企業内でも浸透しているからであろう。
外資系企業は、当然多国籍で構成され各々習慣や文化が違う。日本企業内であればある習慣や文化と異なった行動をすれば異物を扱うような判断が下され「正誤」の対象となるでしょう。
しかしながら外資系企業では多国籍の習慣や文化が氾濫している。時として海外グローバル本社地域の習慣や文化が社内を横行する場合がある。
とはいうものの日本社会のように異物を疎外する文化が外資系企業にはなく、互いを尊重することが基本となる。
組織の変化(縮小、撤退を含む)
日本企業または日本人が未だ高度成長期の残像に傾倒する意識があり、規模の大きい組織に安心を求めている。
日本に進出している外資系企業の世界的規模はその業種やマーケットシェア等様々な要因で変わるでしょう。
その外資系企業は、社会の変化等様々な要因で規模は拡大することがあれば縮小することがある。
その組織の規模拡大または縮小は、そのまま日本法人にも影響してくる。
まだ規模拡大であれば喜ばしいが、不幸にも規模縮小する場合がある。
これが日本法人には、ある事業部門売却または閉鎖、日本法人全体的な人員縮小、または日本市場からのビジネス撤退という判断が海外グローバル本社から下される。
日本企業であればある工場閉鎖、ある事業撤退または売却等あったとしても社内の人事異動等で対応される。
しかしながら外資系企業日本法人が人員縮小、ある事業部門売却または撤退または日本市場からビジネス撤退となった場合、対象となった人材は職を失うことになる。
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