多くの方が学校等卒業前に企業等から採用内定を得ていたことでしょう。卒業した年にもよりますが、就職活動解禁とされる日を目安に学生時に様々な活動を経て内定を得たことでしょう。
しかしながら、転職活動と言えばどのような時が転職先から内定が得やすいだろうか?
1年間を通じた求人数状況の動きと転職の環境
最初に求人案件数状況を年間通じて考えてみましょう。
1〜3月は求人案件が活発な一方で、ライバルとなる転職希望者は多い
転職希望者は年間を通じてどの時季も一定数存在します。その中で冬のボーナスは、12月から1月に支給されることが一般的です。年末年始にかけて企業の業績評価が行われ、ボーナスが支給されます。
既に転職先から内定を得ている転職希望者が、冬のボーナスを受け取った後に現職の企業に退職の意思を示すケースが多く見かけられます。
このような背景から企業は退職者のポジションを埋めるために求人活動をします。
しかしながら、この期間に退職した(有給消化中を含む)転職希望者の中には未だ転職先から内定を得る事なく現職を去った人材も多くいます。
よって求人案件数は多い一方で転職活動者数も多い。
4~6月は新卒採用がメインで、中途採用は沈静化
ベンチャー企業や日本法人の規模がそれほど大きくない外資系企業以外の企業では、新年度が始まる4月は、年度始めの業務、社内異動の対応、新入社員の受け入れ、翌年の新卒採用の動き出しなどで企業の採用担当者は多忙となる。
大企業によっては新卒採用と中途採用の担当を分けている場合もあるが、流石にこの期間は中途採用の担当であっても新卒採用や年度始め等の業務に追われ、中途採用の活動については沈静化する傾向があります。一方で、大手企業の採用活動が鈍るこの時期を狙って、採用活動を活性化する中小ベンチャー企業も見られます。
そういった中、3月である年度末に退職した人材のポジションまたは1~3月に埋まらなかったポジションを埋めるべく採用活動が行われる。
1~3月に比べると新規の求人案件数は多くないがまだ活発に採用活動は行われている。一方転職希望者は1~3月の期間ほど多くないが年度末に退職した転職希望者がおりライバルが減ったわけではない。
またこの期間にゴールデンウイークがあり、転職を決意する者があり転職活動でのライバルは増加傾向となる。
7〜9月の新規求人案件は少ない。しかし上位職など希少ポジションの求人が出る可能性も
7~9月は、1~3月同様に夏のボーナスを受け取った後に現職の企業に退職の意思を示すケースが多いが、冬のボーナスを受け取った後に比べると退職の意思を示す人材の数は少ない。
また新年度が始まり新年度の予算執行可能となったことで新規プロジェクト等が活動出来その影響で緊急の上級職の求人が発生することもあるでしょう。
特に8~9月の新規求人案件は少なく、転職希望者には辛い期間となる。
10〜12月は年末に向け向け中途採用が活性化する期間
10月後半より冬のボーナス受け取った後に退職すべく退職の意思を示した現職の人材が多くいます。この人材の業務を引き継ぐ人材を補充する為に求人が発生します。
この新規求人数はこの期間の後半になるほど数が増えてきます。
よってこの期間の求人案件数は増加傾向で転職希望者に良い傾向に見えますが、ゴールデンウイークに転職を決意して未だ転職先が定まらない人材が一定数います。ただし、この期間の退職希望者の多くは既に転職先から内定を得て現職に退職の意思を示していることが多く転職希望者のライバルの急増化を警戒することはないでしょう。
年代別の採用傾向と転職を検討するタイミング
また、転職を考える際に把握しておきたいのが、年代別の採用傾向です。20代、30代、40代のそれぞれの採用傾向についてまとめてみました。
20代
20代でも、卒後数年以内と30代に近づいた頃とでは、求人案件の要件内容や企業の採用への捉え方が異なります。
卒後数年以内であれば、第二新卒として認識されるケースが多く、全く経験がない業界・職種へのキャリアチェンジもしやすい傾向にあります。職種・業界未経験の求人に応募しても、ポテンシャルを期待されて内定を獲得できる可能性は高いでしょう。しかし、新卒時の採用同様に企業から見れば転職希望者のポテンシャルは、学歴または学生時代の専攻分野や研究テーマが重要視される。
一方、30代に近づいた転職希望者には、相応の経験・スキルが求められるケースが増えます。転職希望者自身のキャリアの棚卸を十分にしたうえで、求人企業の採用担当者にしっかりアピールする必要があるでしょう。そのため、転職を検討するタイミングとしては、何らかの具体的な結果を成果として転職する方がうまくいきやすい傾向になります。また、年齢が上がると即戦力性を求められるようになるため、キャリアチェンジを視野に入れる場合は早めのタイミングで転職を検討するといいでしょう。
これは私の実体験ですが、30代にならんとする年齢時に転職をしました。この時ある転職エージェントの勧め等により異業種に転職しましたが、20代に培った経験やスキルを異業種の求人企業から評価していただき転職できました。更に年収を含めた労働条件は良くなりました。
30代
30代になり未経験分野(業種・職種)への転職は無謀となります。それでも未経験分野への転職を望めば、年収等の労働条件は新卒時同様に低くなるでしょう。
まず30代には専門性がなければなりません。これはその求人案件に求められる要件内容を満たす経験やスキルを備えた上で、即戦力として担当業務を遂行できることが期待されています。
この事は昭和時代の日本企業が社員を総合職として汎用性のある社員として育成する仕組みとは真逆となります。
例えば財務職を求める求人であれば、中途入社後即財務職として業務遂行することが求められます。
これは私の実体験ですが、30代に米国シリコンバレーに本社がある日本法人にマーケティング部門でプロダクトマネージャーとして入社しました。そして入社翌日に上司から担当製品の割り当てがあり、その時点でその製品のプロダクトマネージャーとして米国本社関係者及び日本の顧客に対してコミュニケーションを取る事となりました。よって入社約3カ月は、担当製品(IT関連製品)の知識を習得する事や米国本社出張で様々な関係者との会議で忙殺されました。当時私のポジション上業務をアシストする又はサポートする人材を追加で採用する枠が無く1日24時間が瞬く間に過ぎていきました。
また30代前半では、リーダー経験を求められるケースが増えていきます。即戦力となる知識や経験・スキルを備えたうえで、組織を束ねるマネジメント力が求められてくるのが30代です。その上で30代後半になると、組織を束ねるマネジメントスキルを求められる傾向がより色濃くなります。
管理職として「今までどのような経験を積んできたのか」「どのような成果を上げられるのか」といったことが判断基準になります。また、マネジメント経験や活かせるスキル・経験がある場合は、未経験職種や業界へキャリアチェンジできる可能性もあります。
40代
40代になると、企業側はより高度なスキルや実績に加え、管理職としての豊富な経験を求めるようになります。経営や事業に影響を及ぼす管理職や専門職などの重要なポジションを、社内での異動ではなく中途採用で配置するケースは、日本企業ではそれほど多くはありません。一方外資系企業では日本法人のトップでさえ中途採用は頻繁にありますので英語力を持った人材であればマネージャー~ディレクターまたはそれ以上の上級職への転職が可能となるでしょう。
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